日本政策金融公庫

創業融資を成功させるために必要な事業計画書とは?作成ポイントや注意点について解説!

この記事の監修
       

代表税理士
北村 嘉章

所属 四国税理士会丸亀支部 税理士登録番号137832
北村嘉章税理士事務所 代表税理士
合同会社 N village consulting 代表社員
穴吹カレッジ「香川県留学生支援会」 監事
家族 妻と長女と長男の4人家族
職歴 日亜化学工業株式会社(青色発光ダイオード)特許部
大手税理士法人である税理士法人ゆびすいで税理士登録
税理士業界での経験年数は10年

日本政策金融公庫で創業融資を申込むときには必ず事業計画書(創業計画書)が必要となりますが、創業者には過去の事業実績がないため、融資審査ではとくに計画書の内容が重要となります。

また、事業計画書は、ただフォーマットの内容を埋めればよいのではなく、融資額の決め方や、売上の立て方などについて明確な根拠を示して作る必要があります。

この記事では、創業融資を成功させるために必要な事業計画書の作成ポイントや押さえておくべき注意点について解説いたします。

 

事業計画書は、なぜ必要なのか?

事業計画書とは、「これから行う事業の内容や見込みを記載した計画」となります。

 

計画の中身を頭の中だけで考えても、それだけでは内容をまとめられないだけでなく、必ず漏れや間違いが発生します。

また、事業計画書を作らないと計画の中身を他人に説明することもできません。

 

しかし、アイデアや目標を事業計画書にすることで、計画を可視化することができるだけでなく、全体のつながりを確認したり、内容のミスや間違いを見つけやすくなります。

 

日本政策金融公庫に限らず、事業計画書は制度融資(信用保証協会の保証のついた融資)やプロパー融資(金融機関が保証機関の保証をつけずに独自の責任で行う融資)、補助金・助成金の申請でも必要となります。

 

このように創業者の方が資金調達をするには、ほぼすべてのケースで事業計画書の作成・提出が必要となり、事業計画書の内容がどうなのかにより調達できる確率や額が大きく異なることとなります。

 

評価される事業計画書を作るための3つのポイント

事業計画書を作成するときには、以下の3つのポイントを押さえておくと、説得力があり、金融機関に評価される計画とすることができます。

 

① 計画の内容が具体的であり、内容や数字に根拠があるか?

事業計画書は、内容が明確・妥当であり、かつ記載されたことや数字に根拠がある必要があります。

 

もし、売上げの見込みを300万円/月としたのであれば、「なぜ300万円の売上を上げられるのか?」、「どうやって、それを実現するのか?」ということについて根拠も記載しなければなりません。

 

たとえば、飲食店の事業計画書であれば、月の売上げは次の式によって説明することができます。

「客単価 × 席数 × 回転率 × 月の営業日数」

仮に、客単価4,000円/人、席数20席、回転率2.0、月営業日数25日であれば、月の売上げ見込み額は4,000,000円となります。

しかし、これだけでは「なぜ、客単価が5,000円なのか?」、「なぜ、この人数の見込み客が来店するといえるのか?」という説明にはなりません。

 

この数字を達成するには、これを説明するには1日当たり40人の来客が必要となりますが、これが可能であると示すには、それぞれの項目について根拠を示す必要があります。

例)

客単価  予想されるオーダーとして、ドリンク〇杯、前菜〇品、主宰〇品の合計により

4,000円の客単価が見込まれる。

回転数  同程度の規模の同業他社の数値を参考とした

集客方法

  • 店舗販売分については店舗周辺において20,000枚/月のチラシを配布
  • ネットについては、ネット広告を出稿
  • その他として、飲食店集客サイトの広告を利用

 

② 文章は明瞭・簡潔に記載する

事業計画書は、できるだけわかりやすく記載する必要があります。

専門的な用語やわかりにくい内容については、はじめて計画を見る人でも理解できるように補足を入れる、図やグラフを使うなどの配慮が求められます。

飲食店の場合ならば、メニューや店舗の写真をつけるなどすると、よりわかりやすく評価がされやすい計画となります。

 

③ 「6W2H」を意識する                                

事業計画書を作成するときには、「6W2H」を意識して作成すると、内容に漏れのないまとまりのある計画を作ることができます。

Why(事業をする理由、きっかけ)

「なぜ、この事業をする気になったのか?」という起業の動機を考えます。

これは事業計画書の最初でも聞かれる項目でもあるため、きっかけとなった事実や経験に沿って内容が大げさにならないよう(初年度売り上げ目標〇千万円や、3年以内に2号店を出店見込みなど)記載するようにします。

 

What(商品・サービスの内容はなにか?)

今後の事業で販売する商品やサービスの内容を記載します。

ただし、どこにでもあるようなありきたりのものではなく、その店に特有の強みやオリジナル性を活かした構成とする必要があります。

計画書に記載するときには、強みやセールスポイントを具体的にわかるように記載するとともに、予想される問題点やそれへの対策なども盛り込むようにしましょう。

 

Where whom(ターゲットとする顧客や市場は何か?)

創業する上でターゲットとする顧客や市場は何かを記載します。

これが明確でないと誰に対して販促をすればよいのかが決まらず、また、参入できる市場があるのかどうかも明確となりません。

また、ターゲットを決める際には、「店の近所の男性サラリーマン」のようなぼんやりとしたものではなく、「店の半径500m内で勤務する年収500万円の男性で、日本酒と海鮮料理が好き。週の外食回数は2回程度で、一回当たりの利用金額は4,000円」などのように、特定の人をイメージし、掘り下げたターゲットの設定をする必要があります。

 

How(どのような特徴や強みを生かすのか?)

ライバルに勝つには、商品やサービスに他と比べて際立った特徴や強みがある必要があります。

そのためには、最近のトレンドや競合の状況を参考にして、「自分の商品やサービスのどこが強みといえるのか?」、「さらに魅力を引き出すには、どうすればよいのか?」ということを検討する必要があります。

 

When(どのタイミングで行うのか?)

事業を成功させるには、「どのタイミングを行うのか?」ということも重要なポイントとなります。

すぐに売上げを上げたいのであれば、年末の集客しやすい時期を狙うのも一つの方法です。

ただし、開業をするまでには、店舗の確保や仕入の手配、従業員の採用、融資手続きなどしなければならないことが多いため、本当にこれらをしながら予定の時期に開業できるのかをスケジューリングする必要があります。

また、事業に許認可が必要となる場合には、取得にどの程度の期間が必要なのかを把握しておく必要があります。

 

Who(事業を誰がするのか?)

事業を運営する中では、役員や従業員、家族の協力が、非常に重要となります。

とくに資金が少ない創業時には、できるだけ人を雇わずに家族に協力してもらうことで、人件費の削減や事業に対する理解が深まる他、金融機関からも好印象となります。

また、役割分担や人の配置などは、実際の事業のオペレーションにあわせて決定する必要があります。

 

How much(売上や利益の額は?)

事前に事業にかかる経費や売上げ、準備できる自己資金の額、借入額等をシミュレーションしておくことは、計画の精度を上げるために欠かせない作業となります。

そのため、事業計画書を作成する際には、これらの経費や金額をできるだけ詳細に見積もり、その内容にあった計画を作らないと信ぴょう性の低い計画となったり、事業の途中で資金不足となる危険性があります。

 

時間をかけずに説得力のある事業計画書を作成しよう

事業計画書の作成では、記入しなければならない項目や調べなければならないことが多いため、はじめて計画書の作成をする方などは、ポイントや作業時間の目安がつかず予定の何倍もの時間がかかってしまうことも少なくありません。

このような事態を避けるには、あらかじめ項目ごとにどんなことがポイントとなり、そのためにどんな作業や準備が必要となるのかを整理した上で取組むことが重要となります。

また、実際に計画を作る際には、ただ漫然と記載するのではなく、正確な資料や数字で根拠を示しながらまとめていくと説得力のある内容とすることができます。

「北村嘉章税理士事務所」では、事業計画書はもちろん、創業融資に必要な書類の作成サポートを行っております。

お気軽にご相談下さい。

 

 

 

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