会社設立の4つの種類とそれぞれの特徴

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これから会社の設立をお考えの方の中には、「どの会社が一番よいのだろう?」とお悩みの方も少なくないと思います。

会社はその種類により、組織の構成などが異なるだけでなく、会社の設立時の人数や決議方法、経営権などについても大きな違いがあります。

また、内部だけでなく、取引先などの外部との関係にも影響することがあるため、どの会社形態を選ぶかは重要な要素となります。

ここでは各会社のごとの特徴の違いや、設立にかかる費用、運用方法の差などについて解説いたします。

設立できる4つの会社の種類

株式会社について

株式会社は、日本で最もポピュラーな会社形態で、平成30年の国税庁調査では会社全体の93.3%を占めています。

株式会社の一番の特徴は、株式を発行してそれを株主(設立時は発起人)に引き受けてもらい、その出資金を資本金とするということにあります。

設立時
現在、株式会社は、株主一人、資本金1円からこれを設立することができます。
以前には発起人7人以上、資本金1,000万円以上という制限がありましたが、規制緩和に伴い、簡単な要件で設立できるようになりました。

株式会社を設立する時には、定款を作成して公証人の認証を受けた上で、法務局に登記申請書の提出をする必要があります。
設立登記には、資本金額に応じた登録免許税(15万円~)の他、公証人の定款認証手数料(5万円)の他、紙で定款を作成した場合には4万円の印紙税がかかります。
しかし、定款を電子定款で作成した場合には印紙税は不要となります。

なお、取締役会や監査役といった役員の任期については、 株式譲渡制限のある会社の場合には最大10年までとすることができますが、譲渡制限のない会社については最大2年までとなります。 

株主について

株式会社では経営に参加するためには、株主となって一口以上の出資をする必要があります。
株主は原則として、一株について一口の議決権や利益配当を受ける権利を有しますが、 その割合や権利を行使することができる最低数などについては、定款や株主総会でこれを制限することもできます。

なお、株主の責任は有限責任です。
そのため、会社が倒産したような場合でも、自分が所有する株式の価値がなくなるだけで、それ以上の責任を負うことはありません。

経営について

株式会社の経営は、原則として株主総会の決議によって決定されます。
なお、重要な財産の処分及び譲受け、多額の借財、支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止、代表取締役の選任・解任などといった、一部の重要事項は取締役会の決議事項とされ、取締役の過半数の賛成により決定されます。 

なお、現在では取締役会の設置は任意とされており、取締役会を置いていない会社については 取締役または株主総会の決議により意思決定が行われます。

また、株式会社には監査役を置くことができ、監査役が選任された場合には、会社の経営内容についての監査をする権限と責任を負います。

合同会社について

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合同会社は2006年の会社法施行により新たに導入された法人形態であり、全法人の3.6%の割合を占めます。アメリカのLLCを参考にしたことから日本版LLCともいわれます。
合同会社の特徴は、柔軟な内部設計が可能な点と、株式会社よりも安い費用で設立できるという点にあります。

 設立時

合同会社も、株式会社と同様、社員一人、出資金1円からこれを設立することができます。
会社設立登記の申請が必要なのは、他の会社と同じですが、株式会社と違って、設立登記をするときに公証人の認証は不要です。
また、登記の際に必要となる登録免許税も合同会社は6万円~となってため、株式会社より割安に作ることができます。

社員

合同会社では株式という概念がないため、出資した社員全員で会社の運営方針を自由に決めることができ、機動的な意思決定が行えます。
なお、社員は出資額を上限とした有限責任を負います。

経営について

株式会社は、会社の意思決定をする機関(株主総会)と、業務を執行する機関(取締役会)が分離していますが、合同会社では、両者が一致しており会社に出資した人がそのまま経営者になるという特徴を持ちます。

また、合同会社は「定款」で定めることにより、出資額にかかわらず議決権や利益配分の割合を自由に定めることができます。この点は、株式の数で経営方針が決まる株式会社との大きな違いです。

合名会社について

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合名会社は、4つの会社類型の中で最も原始的な形の持分会社で、無限責任社員のみから構成された、いわば個人事業主の集まりに近い形態となります。全法人の中で占める割合は0.1%と4つの種類の会社の中では、最少となっています。

設立時

合名会社は、1名以上の無限責任社員がいれば設立することができます。

なお、株式会社や合同会社では、金銭または現物による出資のみが認められていますが、合同会社では「労務」によっても出資をすることができます。

他の会社と同様に、合名会社も会社の設立には登記の申請をする必要がありますが、定款には公証人の認証は不要です。なお、登録免許税は6万円となります。

社員

合名会社の社員は、出資者と業務執行者の権利義務をあわせ持ちます。

しかし、社員の性質は無限責任社員であることから、万が一、会社が倒産したような場合には社員個人が無限の連帯責任を負うこととなります。

経営について

合名会社は、無限責任社員の過半数の賛成寄るによる意思決定にもとづき経営を行います。

合資会社について

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合資会社は、無限責任社員と有限責任社員から構成される持分会社のひとつです。全法人の中で占める割合は0.5%と4つの会社の種類の中では、合名会社に次いで少ない数となっています。

設立時

合資会社は、1名以上の無限責任社員と1名以上の有限責任社員から構成されるため、設立には最低2名の社員が必要となります。

合資会社は、「労務」による出資が認められる、設立登記申請をする必要がある、定款に公証人の認証が不要、登録免許税は6万円と、設立手続きはほぼ合名会社と同様となります。

社員

合資会社の社員には、無限責任社員と有限責任社員の2種類がありますが、万が一、会社が倒産したような場合には無限責任社員が連帯責任を負うのに対して、有限責任社員は出資の価格の範囲での有限責任を負います。

経営について

以前は、合資会社において業務の執行権や代表権を有するのは無限責任社員だけとされていましたが、会社法の改正により、現在では有限責任社員にもこれらの権利が認められています。

そのため、定款に別段の定めがない限り、無限責任社員・有限責任社員のいずれも代表権をもつことができるだけでなく、業務の執行もその過半数決議で行われます。

なお、合資会社では、有限責任社員の退社により無限責任社員のみとなった場合は合名会社へ、無限責任社員が退社し、有限責任社員のみとなった場合は合同会社への定款変更をしたとみなされます。

まとめ

以上のように現在の日本では4つの会社形態があり、それぞれ組織の組み立てや責任などに違いがあります。

会社を設立する場合にはこの点を理解した上で選択する必要がありますが、これから合名会社と合資会社を作るメリットはほぼないことから、現実的には株式会社と合同会社のいずれかの選択となります。

なお、この2つの会社には、株式会社は知名度が高いという特徴がある一方、合同会社は設立費用が安い、柔軟な運用ができるといった特徴があるため、これらを考慮した上で検討されることをお勧めします。

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