freeeとマネーフォワードはどちらが法人向き?両者の機能を徹底比較


目次   1.導入 

    2.料金プランの比較

    3.人事/労務管理連携機能の違い

     3-1freeeの提供するサービス

     3-2.マネーフォワードの提供するサービス

    4.自動連係サービスの取引先数

     4-1.freeeの連携数

     4-2.マネーフォワードの連携数

    5.freeeのメリット・デメリット

     5-1.freeeのメリット

     5-2.freeeのデメリット

    6.マネーフォワードのメリット・デメリット

     6-1.マネーフォワードのメリット

     6-2.マネーフォワードのデメリット

    7.まとめ

1.導入

法人の決算書等を作成する際、会計ソフト「freee(フリー)」と「マネーフォワ―ド(MFクラウド)」どちらを選択するか迷う方も多いのではないでしょうか。

会計freeeはなんといっても操作が簡単で、PCだけでなくスマホアプリでも手軽に経理業務を行うことができます。一方、マネーフォワードクラウド会計は、連携サービスの多さが特徴。振替伝票の入力などもできるため、経理のベテランにも愛されています。

このように「freee」と「マネーフォワ―ド」では異なる特徴を持ち、他にもさまざまな違いがあります。 本記事では、会計freeeとマネーフォワードクラウド会計という、日本での利用者が非常に多い2つのクラウド会計サービスについて比較し、それぞれのメリット・デメリットを徹底解説していきます。

2.料金プランの比較

料金体系の比較

まずは気になる料金体系の比較ですが、こちらは会計freeeの「ミニマムプラン」が最安で、26,136円/年となっています。

法人会計ソフトの中では格安な部類に入りますが、会計ソフトとして必要な機能はきちんと揃っていますので、小規模法人などにおける運用で、会計ソフト以外の機能は不要、という場合はこちらを選べば十分です。もちろん、必要に応じて、より機能が充実したプランを選択することも可能です。 個人事業主向け会計ソフト「マネーフォワードクラウド確定申告」は安価で使用できるとあって人気が高いのですが、法人向けの「マネーフォワードクラウド会計」になると、一番安価な「スモールビジネス」プランでも39,336円/年と、会計freeeの「ミニマムプラン」よりも高価になってしまいます。しかし、機能は充実していますので、業務の規模や必要な機能によってはこちらの方が結果的に、コストパフォーマンスがよくなるケースもあります。

3.人事/労務管理連携機能の違い

マネーフォワードクラウド会計には、前述の通り、会計機能以外にも様々な機能が付属しています。人事/労務管理機能もそのひとつです。

人事/労務管理機能は会計freee側も提供していますが、マネーフォワードクラウドでは会計・人事/労務管理を含めた全ての機能が一体化しているのに対し、会計freeeで人事/労務管理の機能を使うには、別途「人事労務freee」の導入が必要になります。このため、総合ソフトとしての運用を考えると、マネーフォワードクラウド会計の方が安価になります。

3-1.freeeの提供するサービス

≪会計freee≫

・ 経理および請求書作成

≪人事労務freee≫

・給与計算

・年末調整

・勤怠管理

・マイナンバー管理

・従業員情報管理

・会計/経費精算連携

・入退社管理

・保険手続

3-2.マネーフォワードの提供するサービス

・クラウド会計

・確定申告:会計・確定申告

・クラウド請求書:請求書発行

・クラウド経費:経費精算

・クラウド給与:給与計算・社会保険事務

・クラウド勤怠:勤怠管理

・クラウドマイナンバー:マイナンバー収集・管理

freeeの提供するサービスで人事/労務管理を行う場合、会計freeeに加えて、追加で人事労務freee(ユーザー3名までのミニマムプラン、年額26,136円)が必要になります。したがって、小規模法人が会計に加えて人事/労務管理を行う場合は、会計freeeのミニマムプラン年額26,136円+人事労務freeeのミニマムプラン年額26,136円=52,272円が必要です。

さらに、ユーザーが4名以上になると、会計freeeをベーシックプラン年額52,536円に変更した上で、4人目のユーザーからは一人あたり年額3,960円を加算する必要があります。人事労務freeeのミニマムプランも、4人目のユーザーからは一人あたり年額3,960円が必要です。

マネーフォワードクラウド会計の場合は、予め人事/労務管理機能も組み込まれて、5名までのユーザーが年額39,336円で使用できますので、この点はfreeeよりもかなりお得だといえます。

4.自動連係サービスの取引先数

4-1.freeeの連携数

会計freeeでは、3,336行のオンラインバンク、および136社のクレジットカード会社からの取引データの自動取り込みに対応しています。これはクラウド型会計ソフトでは日本一の連携数です。

また、Airレジやユビレジといったレジサービスにも対応していますので、店舗運営をされている方の経理自動化にもおすすめです。もちろん、請求書や給与のデータもスムーズに連携できます。

4-2.マネーフォワードの連携数

マネーフォワードクラウド会計でのデータ自動取り込みに対応している金融機関は法人用口座で2,135行、個人用口座では1,153行あり、さらに、142社のクレジットカード会社からの取引データの自動取得にも対応しています。

その他、各種のwebサービスやレジシステムともデータ連携できるので、店舗の売上データの自動取り込みも出来ます。さらに、マネーフォワードクラウド会計の他のサービス(請求書、給与計算など)とも連携できるのが強みです。

5.freeeのメリット・デメリット

5-1.freeeのメリット

1. 初心者でも簡単操作

「会計freee」は、銀行やカード会社のweb明細のテキスト(文字)をもとに、自動で勘定科目を振り分けて会計帳簿データに変換する機能を備えています。変換後のデータが誤っていても、メニューに表示される各種の勘定科目から正しいものを指定できます。

250以上の金融機関に対応している(2013年11月現在)ほか、自動同期に対応していない金融機関のデータもCSVファイルを利用して会計帳簿に変換できます。

2. 取引先や税理士ともデータやメッセージのやりとりができる

取引先や税理士をユーザーに追加することで、データを共有したり、コメントやメッセージのやりとりを行なったりできます。

3. 万全のセキュリティ

「会計freee」は、金融機関でも用いられるレベルの高い暗号化通信の256bit SSLを利用してデータを扱いますので、Web口座のデータ保存におけるセキュリティ面も安心です。さらに、機密度の高い情報はファイアウォールで守られます。

データは自動でバックアップされた上で、クラウド上に分散して保存されるため、災害時も安心。このほか、個人情報取り扱いについても、米国NPOのTRUSTeによる認定を取得済です。

4.領収書やレシートのデータをスマホから取り込める

 freeeでは、領収書やレシートをスマホで撮影するだけで、そのデータを取り込む事ができます。そして取りこんだ画像データを元にAIが日付、金額、勘定科目を推定して自動で仕訳する事ができます。全く簿記の知識のない方でもできるのがfreeeの最大のメリットだと思います。

5-2.freeeのデメリット

1. 利用にはインターネット環境が必須

クラウド会計ソフトですので、当然ながらインターネット環境がない状態、あるいは、さまざまな要因でインターネットが利用できない状態では使えません。

2. 現時点で使用できる機能が限定されている

現時点では、給与計算機能・減価償却費計算機能・販売・在庫管理機能などを装備していないほか、出力できる帳票にも制限があり、経営分析なども難しくなっています。この点については、今後改善されるかもしれません。

6.マネーフォワ―ドのメリット・デメリット

6-1.マネーフォワ―ドのメリット

1. 士業サポートを受けられる

マネーフォワ―ドに登録する特典として、税理士や社労士の紹介が無料で受けられます。税務・労務・法務に関する専門家探しの手間を省けることに加えて、マネーフォワ―ドに登録している士業も多く在籍しているため、そのまま担当(顧問契約)してもらうこともできます。

2.勘定科目を初期設定だけで自動作成

マネーフォワードは、入出金やクレジットカード利用の明細を自動で取得し、さらに費目(食費、光熱費、など)も自動で分類してくれます。この機能は、金融機関を最初に一度登録するだけで使い始めることができます。

明細の記述内容から判断できない科目はご自身で別途設定する必要がありますが、設定してしまえばあとは自動で振り分けられます。

例えばこのような取引が自動で分類されます。

クレジットカードや銀行口座から電子マネーへのチャージ⇒「振替」

電子マネー(WAONなど)やバーコード決済(au payなど)にてコンビニ弁当を購入⇒「食費」

銀行口座に給与が振り込まれる、口座から家賃を振り込む⇒住宅費

クレジットカードで洋服を購入⇒衣服費

お金に動きがあれば、自動でマネーフォワードへ登録されるのが基本です。

3. 資産運用状況の可視化

企業の財務状況や1年間の儲けを試算表だけでなく、グラフ等のレポートとして出力できるため、お金の動きを一目で確認することができます。

マネーフォワ―ドで出力できるレポートは「キャッシュフローレポート」「収益レポート」「費用レポート」です。これらの機能により、自社の資産運用状況が可視化され、経営の安定化を図ることができます。

6-2.マネーフォワ―ドのデメリット

1.単純ミスが増えるリスク

会計ソフトの便利機能が増えるごとに簿記の知識がなくても、経理処理ができるようになりました。これはいいことでもありますが「勘定科目を間違える」「現金がマイナスになる」などの単純ミスが多くなることも事実です。

もちろん、マネーフォワ―ドにも2重記帳チェックツールなど、単純ミスを防ぐ機能が備え付けられていますが、勘定科目や手入力金額のミスを把握することは難しいです。クラウド会計ソフトを導入している法人は、経理の単純ミスが増えることを前提に、管理者の確認マニュアル等を作成するのが良いでしょう。

2.広告表示が多い

法人の無料会員では頻繁に広告が表示されます。入力が完了するたびに広告が表示されるので無料会員のまま利用する法人にはデメリットといえます。有料会員になれば一部表示されなくなりますが、すべて表示されなくなるわけではないのでストレスに感じることもあるでしょう。

7.まとめ

「freee」と「マネーフォワ―ド」の特徴について理解は深められたでしょうか。

会計ソフトは、経営者が事務作業に時間を割かず本業に集中し、そして正確に会計処理を行うために必須のソフトとなっています。

会計ソフトの中でも大きな進化を遂げて使いやすさが格段にアップした、大人気クラウド型会計ソフト「会計freee」を薦める理由と、ご自身の企業がそのメリットを最大限に活かせる企業かどうかを検討するためのポイントをお伝えしました。

freeeは、特に会計ソフトを初めて使われる方、新設法人様については積極的に導入を検討してみてください。

結論、日本を代表する2つのクラウド会計サービスを実際の業務で使用してきた経験から、どちらも大変優秀なクラウド会計ソフトです。この比較記事を参考に使用環境や経理のやり方などを考慮した上で、より最適なクラウド会計ソフトを検討してみてください。

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