日本政策金融公庫

女性、若者/シニア起業家支援資金とは?創業融資の専門家が要件とポイントを詳しく解説。

この記事の監修
       

代表税理士
北村 嘉章

所属 四国税理士会丸亀支部 税理士登録番号137832
北村嘉章税理士事務所 代表税理士
合同会社 N village consulting 代表社員
穴吹カレッジ「香川県留学生支援会」 監事
家族 妻と長女と長男の4人家族
職歴 日亜化学工業株式会社(青色発光ダイオード)特許部
大手税理士法人である税理士法人ゆびすいで税理士登録
税理士業界での経験年数は10年

日本政策金融公庫の融資制度には女性、若者/シニア起業家支援資金という制度があります。

この記事では、「女性、若者・シニア起業家支援資金」の要件や注意点の他、融資に通りやすくするためのポイントについて解説いたします。

 

Contents

「女性、若者・シニア起業家支援資金」とは?

「女性、若者・シニア起業家支援資金」は、女性や若者(35歳未満)・高齢者(55歳以上)といった、融資の申し込みで不利になりやすい方が特別に優遇された金利で利用できる融資制度です。

そのため、この融資の条件に該当する場合は、通常の新規開業資金や普通融資を利用するよりも、有利な条件で借入れをすることができます。

なお、融資元である日本政策金融公庫では数多くの種類の融資を取り扱っていますが、年齢制限を設けている融資という点では唯一のものとなります。

以前はこれ単体で独立した制度でしたが、現在は新規開業資金の一つの区分という扱いとなっています。

 

国民生活事業での利用を前提に

日本政策金融公庫では、国民生活事業と中小企業事業の2つの事業をおこなっており、そのいずれでも「女性、若者・シニア起業家支援資金」を取り扱っています。

しかし、融資限度額は国民生活事業では7,200万円(うち運転資金4,800万円)、中小企業事業では直接貸付7億2千万円(代理貸付1億2千万円)と大きく異なります。

中小企業事業は一定規模以上の企業に対する貸付となるため、創業者や一般の中小企業の方は国民生活事業を利用することとなります。

 

「女性、若者・シニア起業家支援資金」の利用要件

「女性、若者・シニア起業家支援資金」の利用・申込をするには、以下の要件を満たす必要があります。

 

<利用できる方>

新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方のうち、女性または、35歳未満か55歳以上の男性

要約すると、
35歳以上55歳未満の男性でなければ、女性、若者・シニア起業家支援資金を利用することが可能となります。

 

<資金の使いみち>

新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金

 

<融資限度額>

7,200万円(うち運転資金4,800万円)

 

<返済期間>     

設備資金 20年以内<うち据置期間2年以内>

運転資金 7年以内<うち据置期間2年以内>

 

<利率(年)>

女性の方、35歳未満または55歳以上の方は特別利率A(土地にかかる資金は基準利率)

ただし、以下の要件に該当する方が必要とする資金はそれぞれに定める特別利率になります。

  • 技術・ノウハウ等に新規性がみられる方[特別利率A・B・C・D](土地にかかる資金は基準利率)
  • デジタル田園都市国家構想交付金(旧:地方創生推進交付金を含む)を活用した起業支援
  • 金の交付決定を受けて新たに事業を始める方[特別利率B](土地にかかる資金は基準利率)
  • デジタル田園都市国家構想交付金(旧:地方創生推進交付金を含む。)を活用した起業支援金および移住支援金の両方の交付決定を受けて新たに事業を始める方[特別利率C](土地にかかる資金は基準利率)

 

<担保・保証人>

原則、必要

 

「女性、若者・シニア起業家支援資金」を利用する際の注意点

「女性、若者・シニア起業家支援資金」には、他の融資は異なる以下のような特徴があるため、利用の際には注意が必要です。

申し込みには創業・事業計画書の作成が必要

「女性、若者・シニア起業家支援資金」を利用できるのは、「新たに営もうとする事業について、適正な事業計画を策定しており、当該計画を遂行する能力が十分あると認められる方」に限ります。

そのため、「女性、若者・シニア起業家支援資金」では、新たに営もうとする事業について事業計画を策定することが申込みの条件となっています。

創業者については創業計画書を、その他の方については事業計画書を作成する必要があります。

記載する内容については、日本政策金融公庫で用意しているフォーマットを利用するのがよいでしょう。

なお、本融資制度とあわせて新創業融資制度を利用する場合には、新創業融資制度でも創業計画書を作成することが義務となっていますが、この場合には一つの創業計画書を作成すればよいこととなります。

 

条件によって適用される金利が変わる

「女性、若者・シニア起業家支援資金」に適用される金利は、以下の通りとなります。

ただし、利率は金利情勢によって変動するので、最新の情報は日本政策金融公庫のホームページで確認してください。

新創業融資制度を利用の場合
特別利率A 2.00~3.30% 女性の方、35歳未満または55歳以上の方
特別利率B 1.75~3.05% A要件+デジタル田園都市国家構想交付金を活用
特別利率C 1.50~2.80% A要件+デジタル田園都市国家構想交付金+移住支援金の両方の交付決定を受けた方
特別利率D 1.75~2.75% A要件+技術・ノウハウ等に新規性がみられる方

※内容に応じてA~Dのいずれかの金利を適用

担保を提供する場合
特別利率A 0.75~2.60%  

同   上

特別利率B 0.70~2.35%
特別利率C 0.65~2.10%
特別利率D 0.45~2.05%

 

債務の返済にも利用が可能

「女性、若者・シニア起業家支援資金」は、「廃業歴等があり創業に再チャレンジする方」については、前事業に係る債務を返済するために必要な資金として利用することもできます。

この場合の返済期間は、最長で運転資金15年以内(うち据置期間2年以内)となります。

以前の事業の債務返済に利用できる融資というのは少ないため、過去の事業で作った債務を整理したり、低い金利で一本化するのにも役立ちます。

「技術・ノウハウ等に新規性がみられる方」とは?

特別利率Dにて、「女性、若者・シニア起業家支援資金」の融資を受けるには技術・ノウハウ等に新規性がなければなりません。

ここでの「技術・ノウハウ等に新規性がみられる方」とは、次のいずれかの事業を行う方が対象となります。

  1. 他企業において利用されていない知的財産権に係る技術を利用して行う事業
  2. SBIR制度における指定補助金等または特定新技術補助金等の交付決定を受けて、開発した技術を利用して行う事業
  3. 新規中小企業者(エンジェル税制の一定の要件を満たす方)が行う事業
  4. 国の技術ニーズに関するフィージビリティスタディ調査等を踏まえて研究開発に取り組む事業
  5. J-StartupプログラムまたはJ-Startup地域版プログラムに選定された方のうち一定の要件を満たす方が取り組む研究開発やその事業化に関する事業

 

したがって、特許や実用新案などを取得していても、上記のいずれかに該当しない場合は「技術・ノウハウ等に新規性がみられる方」に該当しないので注意してください。

「事業開始後おおむね7年以内」の起算点

融資の要件の一つとなっている「事業開始後おおむね7年以内」とは、実際に事業を開始したときが起算点となります。

そのため、個人事業から法人成りしたような場合には、原則、法人事業を開始したときではなく、個人事業を始めたときからの起算となりますが、個人と法人の事業内容が異なる場合には、法人からの開始とカウントされることもあるため、このような場合には事前に担当者にご確認ください。

新創業融資制度を併用した場合の金利について

本融資制度は新創業融資制度と併用することができますが、この場合には原則として新創業融資制度の金利が適用となります。

新創業融資制度の金利は本制度の金利よりも高く設定されているため、新創業融資制度を併用する場合には金利が上昇することに注意する必要があります。

 

融資審査の成功率を高める2つのポイント

「女性、若者・シニア起業家支援資金」を利用するときには、この融資制度の特徴をよくつかんで対策することで、融資の成功率を上げることができます。

以下では、申込時に気をつけるべきポイントについて解説いたします。

1、融資申込額は自己資金額の3倍を目安にしよう。

融資の申込みにおける必要資金額(融資申込額)は、どれだけの経費がかかるかを積み上げて計算するのが原則ですが、それがあまり大きすぎる場合には、一部の額を減額されたり、融資を否決される原因となります。

とくに創業融資では、事業にかかる経費の1/10以上の自己資金が必要となるため、この金額とのバランスが重要な要素となります。
一般的には「自己資金額の3倍程度を目安」にすると融資が出やすいとされています。

たとえば、自己資金額が300万円の方であれば900万円~1,000万円の融資申し込みをすることができますが、自己資金が100万円しかない場合には300~400万円が妥当な申込み額となります。

そのため、このような方が500万円とか600万円の融資を申し込むのはかなりリスクが高いということとなります。

このように自己資金が必要となる融資の申込みにおいては、単純な申込額の多寡だけでなく、自己資金額とのバランスも重要となるため、この点についても配慮して計画作りをすることが成功率を高めるコツとなります。

2、説得力のある事業計画書を作る

融資審査で大きなポイントを占めるのが「事業計画書の内容の出来・不出来」です。

説得力のある事業計画書を作成するには次の4つのポイントを満たす必要があります。

 

  1. 計画の内容に整合性があり、客観的に実現可能性が高い内容となっていること
  2. プランの内容に独自の強みがあること
  3. 融資の返済が可能となる利益の確保できる計画となっていること
  4. 創業融資における「自己資金」など、最低満たすべき条件がクリアできていること

 

とくに「計画の実現性が高いこと」と「プランの内容に独自の強みがあること」は審査の評価で大きなウエートを占めるため、どんなに体裁よくできている計画でも、これらの点がなければ評価の低い計画となってしまいます。

 

融資で有利になる事業計画の作り方

徹底的にエビデンスを考える

では、まずどのような計画であれば実現可能性が高いと判断されるのでしょうか?
実現可能性の高さの判断基準は、計画のベースとなる事柄について明確な根拠があるかどうかがポイントとなります。

どんなに大きな理想を掲げた計画であっても、それが実現するのが困難であったり、金額的な裏付けがないものであれば意味がありません。

 

例えば、「最初の月に300万円の売上げと50万円の利益を上げる」という計画ならば、「どうやって300万円の売上を上げるのか?」、「なぜ、50万円の利益が確保できるのか?」についての説明ができなくてはなりません。

さらに300万円の売上げを上げるには「客単価@3,000円×席数20席×2.5回転×25日」の営業をすることが必要となります。
しかし、これだけでは机上の空論となるため、具体的には「どのように2.5回転分のお客を集めるのか?」ということについて、明確になっている必要があります。

 

また、事業そのもののプランが優れているだけでなく、
プランを可能とするための条件や環境が準備できていることも重要なポイントとなります。

例えば、商材の仕入れ先が確保できている、テナントを利用する場合には物件が明確となっている、集客の方法が決まっているといった事項を記載することが重要です。

さらに、数字の計算間違いがないことや、文章の前後で矛盾がないこと(計画の前後で主張している内容が異なっているなど)も最低限できている必要があります。

 

上記を要約すると、以下3点を基に徹底的に詰めた計画を作ることが重要になります。

  • エビデンスの明確さ: 計画のベースとなる事柄について具体的な根拠があるかどうか。
    • 例: 売上目標達成のための具体的な施策、利益確保のための経費算出など
  • 実行可能性: 計画の内容が実際に実行可能かどうか。
    • 例: 仕入れ先確保、物件確保、集客方法の明確化など
  • 論理的な整合性: 数字に誤りがないか、文章の前後で矛盾がないか。
    • 例: 計画の前後で主張している内容が異なっていないか

女性の方は、女性らしい発想や経験を活かすと好印象となりやすい

女性がこの制度を使って融資の申込みをする場合には、男性とは異なる女性ならでは視点やスキル、経験を活かした計画とすることで、高い評価を得やすくなります。

具体的には、
「女性の視点から、もっと同性が活躍できる仕組みを作る」、
「介護などの女性の存在が欠かせない事業を行なう」、
「女性が不便と思っている課題を解決する仕組みを事業化する」
などが考えられます。

また、女性には男性にはないネットワークや口コミ力があるので、これらをいかした事業を考えるのもよいでしょう。

シニアの方は、これまでの仕事のキャリアや経験、知見を活かしたプランを考えよう。

高齢者(55歳以上)の方が起業する場合の最も大きな強みは、経験やスキルが豊富という点にあります。

特に以前の仕事に関するものがあるときは、「業界の状況に精通している」、「正確にリスクを把握することができる」、「人的なネットワークが豊富」などのメリットがあります。

これらは融資の審査においても高く評価されるため、新たに事業を始める場合には、以前と同じ業種またはそれに近い業種で事業をはじめると失敗が少なく、担当者の納得を得やすいものとなります。

若者は、行動力や発想力を活かした計画がおすすめ

若者(35歳未満)の方については、高齢者よりも事業に対する経験やスキルが少ないと見られやすいことから、これを補うプランや発想が必要となります。

若者がこの制度を使って融資を申し込む場合には
「若者に特有のバイタリティーや発想力を活かしたプランとするか?」
「どれだけ詳細な調査を行ったか?」
ということを前面に打ち出すことで、より高い評価を得やすくなるといえるでしょう。

 

具体的には「クラウドファンディングを使って集客をする」、「SNSを使って同世代の潜在顧客にリーチする」といった施策などが考えられます。

自身の事業経験を重視する

どの申込をする人に該当することですが、融資審査では一定の事業経験があることが重視されます。

この経験年数については、理想としては6~7年以上欲しいところですが、3~4年程度の経験年数であっても、しっかりとした経験を積んでいることをアピールできる場合には、大きな問題とはなりません。

しかし、飲食店希望であるのに、ホールでの経験がメインで調理業務の経験が少ない、小売店希望なのに接客の経験がないなどの場合には、勤務年数が長くても経験不足と判断される可能性があります。

とくに、これまでその業種に関する経験が何もないような場合には、希望額の融資の獲得は非常に難しいものとなります。

しかし、必要な事業経験年数が少ない場合でも、「経験豊富な方をパートナーとして事業に参加させる」、「フランチャイズに加盟する」などにより、経験の不足を補うことができます。

もしフランチャイズに加盟する場合には、加盟料や出店経費が必要となるだけでなく、開業後にロイヤリティがかかり続けるため、自分で行う場合よりもコストが増えることとなるので、注意が必要です。

そのため、計画の作成(とくに利益計画)では、これらの点を十分に考え、開業後に資金不足とならないような計画作りをする必要があります。

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融資額が不足する場合は?

日本政策金融公庫の融資だけで不足するときは、制度融資も利用しよう。

「女性、若者・シニア起業家支援資金」では、融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)となっていますが、これはあくまでも融資制度上の上限額であり、誰もがこの金額で申し込めるわけではありません。

また、その方の資力や経験、自己資金額などにもよりますが、現実的に利用できる融資額は最大でも1,000万円程度(創業者の場合)となるのが普通です。

 

しかし、飲食店のような初期投資に多額の資金がかかる場合には、自己資金や日本政策金融公庫の融資だけでは足りないという場合も生じます。

仮に、開業資金して1,800万円がかるケースでは、自己資金額が300万円の方が日本政策金融公庫から1,000万円の融資を受けられた場合でも、500万円が不足することとなります。(1,800万円-300万円-1,000=500万円)

 

このような場合、事業内容を縮小してかかる経費を抑えることができればよいのですが、それができない場合には残りの500万円を追加で調達する必要が生じます。

 

そのような場合に利用したいのが「制度融資」です。

制度融資とは、都道府県や市区町村などの自治体と金融機関、それと信用保証協会の3者が協調して創業者や中小企業に対して融資をする仕組みです。

自治体が制度の立案と運用、金融機関が資金提供、信用保証協会が公的な信用の提供(申込みの保証人となる)を行います。

制度融資は以上の趣旨にもとづき融資を行っているため、創業者であっても比較的簡単な審査と有利な条件で利用することができ、自治体によっては日本政策金融公庫と同じ程度の融資を受けることも可能です。

 

また、制度融資は日本政策金融公庫の融資とは完全に別の制度として実施されているので、

日本政策金融公庫と切り離して審査が行われます。そのため、公庫の融資と併用することが可能です。

したがって、公庫から1,000万円の融資を獲得した場合にはそれ以上の追加融資を求めることはできませんが、制度融資を併用することで不足する500万円を調達できる可能性があります。

 

【詳しくはこちら】

制度融資とは?メリットデメリットや仕組みを解説!

無担保無保証で借りるのであれば、新創業融資制度などを利用する

「女性、若者・シニア起業家支援資金」は、無担保・無保証の融資制度ではないため、そのまま利用した場合には金額に相当する担保や保証人が必要となります。

しかし、担保や保証人がないという場合には、「新創業融資制度」や「担保を不要とする融資制度」を使うことで無担保・無保証で利用できるようになります。

 

「新創業融資制度」は創業後2期を過ぎるまでの方が利用でき、「担保を不要とする融資制度」は2期を過ぎた方が利用できる制度です。

それぞれについて利用の条件は異なりますが、いずれも担保や保証人なしで利用することができます。

 

また、新創業融資制度については、法人でこれを利用した場合には、代表者の方が連帯保証人とならなくともよいという優遇措置があるため、万が一、借入れ後に会社が倒産したような場合でも代表者個人には責任が及ばないこととなります。

※ ただし、「担保を不要とする融資制度」では、代表者が連帯保証人になることが必須となります。

 

女性、若者・シニア起業家支援資金と併用できる融資制度

女性、若者・シニア起業家支援資金は以下の制度と併用することができます。

これらの制度と併せて活用することで、無担保・無保証での借入れやより低い金利で利用することができます。

 

〇 無担保・無保証人を希望される方

【新たに事業を始める方・税務申告を2期終えていない方】 新創業融資制度

【税務申告を2期以上終えている方】 担保を不要とする融資制度

経営者保証免除特例制度

〇 新たに事業を始める方・税務申告を2期終えていない方

  • 創業支援貸付利率特例制度

〇 設備投資を行う方

  • 設備資金貸付利率特例制度(全国版)
  • 設備資金貸付利率特例制度(東日本版)

 

補助金や助成金を利用するときの注意

「女性、若者・シニア起業家支援資金」を利用するときには、国や自治体等の補助金や助成金を利用することもできます。

しかしここで注意しなければならないのが補助金や助成金を利用するには、その事業の開始前に事業にかる経費のすべてを立替払いしなければならないということです。

 

仮に、補助上限額500万円、補助率1/2の補助金を利用する場合には、1,000万円の補助事業費をいったん立て替え払いした上で、その後に500万円の補助金がもらえるということとなります。

そのため、はじめから補助金を利用して事業を行なうことはできません。

 

融資の出るタイミングが補助金の申請前である場合ならば、融資資金を使って補助対象の事業を行なうことができますが、補助金の申込みのタイミングは年に1~2回程度しかなく、また、受給するには審査があるため、必ずもらえるわけでもありません。

そのため、はじめから補助金や助成金を資金繰りに見込んだ計画を立てるのはやめた方がよいといえます。

 

まとめ

「女性、若者・シニア起業家支援資金」は、女性や若者(35歳未満)・高齢者(55歳以上)といった年齢の条件を満たす方が利用できる融資制度です。

通常の融資よりも有利な金利で利用することができますが、申込みには創業・事業計画書を作成する必要があります。

 

なお、この融資制度は、原則、無担保無保証ではないということに注意が必要です。

無担保無保証で利用するためには、新創業融資制度や担保を不要とする融資制度とあわせて利用する必要があります。

なお、「女性、若者・シニア起業家支援資金」は、金利面では優遇されますが、この制度を使ったからといって融資審査が緩くなるというわけではありません。

したがって、申し込みの際には通常の融資の申込みと同様に、しっかりした内容の事業計画書の作成や準備をする必要があります。

 

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